我が国は、諸外国に類を見ない急速な高齢化が進んでおり、平成27年には国民の4人に一人が65歳以上となると見込まれております。
今後、高齢者が増え続けていく状況を考えると、生活基盤である住環境を含めた日常生活上の不便さに対しての支援対応が緊急課題になってきます。
すべての人が暮らしやすい社会を実現するためには、健常者だけでなく、障害者や高齢者など、日常生活に不便さの有る者に対しても、利用しやすいように配慮された環境づくりの開発、普及が不可欠です。
静岡県においても、高齢者住宅相談員の研修登録活動は年間3回開催されており、相談員の名簿登録者数は1500名を越える状況になって来ておりますが、一般生活者にとっては、その相談窓口さえ分かりにくい状況です。
ここ数年私たちは、相談員の有志をつのり、勉強会と実務経験を重ね、また、リハビリテーションの実務経験者の多くが参加する事により、精度の高い「ハウスアダプテーション」の環境づくりが可能になって来ました。
介護保険が施行されるに伴い在宅介護が増えていく中では、住空間での問題が益々発生する事が予想されます。
これに対し、住宅相談員と医療関係者、建築設計士、デザイナー、プランナーなどが一丸となったNPO
を設立する事で、具体的な相談窓口の確保と、実践による住環境デザインの高質化を追求出来るものと思われます。
住宅におけるユニバーサルデザインの基本的な基準の方向性を設定し、障害者・高齢者対応住宅はもとより、一般住宅における普及促進も含め、実践活動成果をユニバーサルデザインシステムとして確立して行きたいと考えております。
相談員、リハビリ関係者が、一人々の力で「ハウスアダプテーション」を完成させる事は、極めて難しく、事業の積極的な活動と推進を計って行くためには公益法人の設立が、不可欠であるとの結論に達しました。
この様な認識のもと、公益法人をNPOとして設立する事により、住宅改造、ユニバーサルデザイン住宅環境づくり、ユニバーサルデザイン製品づくりの開発、ユニバーサルデザインシステム標準を確立させる事を推進するとともに、その成果を広く関係者に普及し、在宅生活者、高齢者、障害者の相談窓口業務を開設する事で、不便さの無い住環境づくりに寄与する事を目的として「NPOユニバーサルデザインシステム」を設立するものであります。
特定非営利活動法人 ユニバーサルデザインシステム